SONY　CRF-320

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　子供の頃は、この受信機が現実的な最高の受信機だと考えていました。外国製の高価な受信機は、ごく一部の方やプロの方がお使いになるもので、ラジオ雑誌でもほとんど目にする機会はありませんでした。実物を見た事はなかったものの、この CRF-320 は、ラジオ雑誌の記事やカタログで時々目にする事がありましたので、どんな存在であるかはわかっていました。

　1975年当時の定価が30万円を超えるという価格設定からも伺えるように、機能、性能あらゆる点で「別格」を意識させる SONY の最高峰です。デジタル周波数カウンターを装備、PLLシンセサイザーの採用、クリック感のある ANTENNA TUNING（プリセレクター）も大変効果的で、弱い信号はワンクリック外しただけでも聞こえなくなるくらいシャープな特性を示します。
　USB と LSB が独立していて SSB の復調も快適です。PLLシンセサイザーによって安定度に優れ、現在でも SWL には最高の受信機だと思います。

　デザインの上で目を引くのは、何と言ってもちょっと大袈裟とも思えるくらい大きなダイヤルとスケールで、受信操作の気分を盛り上げてくれます。つまみには硬質ゴムが巻いてあり、シュアーな操作感が楽しめます。クォーツ時計が内蔵されており、タイマーとして使う事ができます。

　この CRF-320 は米国向けの輸出仕様で、FM の受信周波数範囲が 88〜108MHz、電源入力が 120Vとなっています。日本の商用電源で使うには 100V-120Vステップアップトランスを介せばOKですが、直接 100Vを入力して試した所、これでも全く問題なく使えそうです。電池での使用の際に消耗を確かめるための "BATT CHECK" スイッチを押してみた所、100V入力でも「良好」なゾーンを指示しました。

　フロントパネルにはプラスチックのハードカバーがあり、これを被せると大きさも重さもちょうど「ミシン」のような感じになります。

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