シングルサイドバンド（single side band）。2つの波を合成すると、2波の和の周波数と、差の周波数とが得られる。合成する2つの波のうちの一方を、人の話声など「情報」を含む信号で「変調」すると、その周波数だけ高い「和の周波数」と、その周波数だけ低い「差の周波数」が得られる。
通常のAMラジオ放送では、「和の周波数」「差の周波数」「変調が無い場合の周波数」をそっくりそのまま送信してしまうのだが、SSBは「和の周波数」または「差の周波数」のどちらか「一方」だけを選択的に使った音声通信方式である。どちらか「一方」だけでも「情報」を含む信号が再現される。
SSBには、占有帯域幅が狭い、伝送電力効率がよい（音声入力がなければ、電波は出ない）、混信を受けにくい、という長所がある反面、送受信装置に特別な装置が必要、復調が難しく、復調時の音調の再現性が低いという欠点もある。